2015年5月12日火曜日

後を継ぐ、という縁。

WAnestは大家さんのお父様が
ランドセルなどの皮革なめし工場を
されていた跡地。

中庭を取り囲む池を満たす地下水は
その当時からのものだそうです。

『親父の具合が悪くなり
 WAnest建設が頓挫しかけた時があった』

以前、大家さんが言っていた。

『絶対に完成させる!!』と、お父様が奇跡的な快復を
遂げられたおかげで現在がある。
汲々と湧く水は、或いはそんな力が宿るかのよう。

不思議なご縁でここに魅せられた僕も
母のちいさな店を引き継いだ二代目。

大切にしている商品の1つが
イタリア、フィレンツェのPratesiという
ハンドメイド、植物タンニンなめしに拘った
バッグなどの革製品。

Pratesiは販売を通じてこれまでもお客様の思いを
伺う機会も数多くあった商品ですが、今回も
ギター型バッグに込めた素敵な思いをお聞きして
胸が熱くなりました。

お客様は『期間限定』のミュージシャン。
二年後には伝統ある家業を継がなければならず
それまで好きな音楽活動に没頭するとのこと。
自分用にと、赤のそれをオーダーされたのが
漸く届き、お見せしたところ、

『今、こうして好きなことをする時間を与えてくれた
 父へのプレゼントにしようと思います。』

聞けば、お父様はベンチャーズ世代で、
バッグの色彩もちょうどその当時のギブソンに
そっくりとのことで、きっと元気も出るだろう、と
仰っていました。

無論、大家さんやお客様の継承することと比べ
僕のはささやかなことですが、
運命と向き合い、受け止める。
というプロセスはやはりあっての『感謝』なのかな?

お父様、喜んでくれるといいな・・・。

Good day

Ted
Photo by Showjiki

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