2022年10月30日日曜日

旗印。

 早朝から5分間隔でヒゲダンが鳴り響く日曜。

娘を部活に送り届けたところです。

今年もあと2ヶ月。

師匠も走る12月のバタバタを差し引くと

実質1か月のようなもの。(泣)

見たくないゲンジツは整理して、

前進したいことは少しでも…って、

結局心で唱えていることはいつも一緒デス。(笑)

当店オリジナルブランドaddress_b。

こちらはそんな前進や挑戦への旗印でもあり、

おかげで以前よりは"作り出す""工夫する"という

意識が芽生えてきたように感じます。



そのaddress_bオリジナルショルダーバッグ

『PATTO』さん。

約1年の試作期間を経て今秋デビューしました。

マグネットフラップなので

パッと開き

パッと取り出せる、

ゴルフのパットカバーをヒントにしたので

その名も『PATTO』なのですが、

お客様にもコンセプトが伝わっているようで

とても嬉しいです。

購入されたお客様も実際に使ってみたら

とても便利だしかわいいというお声も。

お客様の評価を心配していた作家にとっては

次に繋がるなによりのエネルギー源。

早速新たなアイデアが生まれているようです。

洋服、バッグ、ジュエリーと、

address_bオリジナルアイテム作成メンバーは

半世紀超えの店主よりセンパイな女性たち。(笑)

これまでの経験や積み重ねが活かされ、

今の自分、ひいてはお客様の楽しみに繋がれば、

これは店主の裏コンセプトです。





 

2022年10月27日木曜日

バランスシート。

 ひと雨ごとに深まる秋。

晴れた日は一年で一番気持ちの良い季節。

夜明け前の早朝荷捌きになってきました。


オーダージュエリーの打ち合わせ中のこと。

僕が提示した価格にお客様が腑に落ちず

首を振りながら考え込む様子に、

こちらの落ち度があったのではと、

言葉を選びながら話しを進める。

どうやら経理のお仕事をされているようで

バランスシートに今回の見積もりを落とし込み、

どうしてもお客様が納得いかないのは、なんと、


『どう考えてもベルカテナさんが合わない。』


という、まさかの一言。

こちらのことを心配してくださるなんて、と

感激しました!!

そこからは僕も一応経理をかじる人間として、

以下の回答。

『はい、損益計算書上だけの見方で単純に

売上高に対し仕入と経費を差し引く、

ということですとお察しの通りかもしれません。

ですが今回イメージされたデザインは斬新で、

作家にも僕にとっても今後の制作に多くの

ヒントと経験を頂けるので、

その分は繰延資産として資産計上し、

後に償却する、というイメージです。』

そうお伝えすると漸くご納得の様子。

あまり好きではない経理の仕事。

まさかこのようなやくだてられるとは。

人生つくづく無駄なことはないものです。

複式簿記考えたやつスゴイ・・・(笑)

誤魔化そうとしても逃げ場がなく、

その意味では悔しいけど、

やればやるほど感心しております。(笑)

複式簿記は財務上のみならず、

個人的には思考法としても役立っており、

今回のケースはまさにそう。

ですので、このようにお話しさせていただき

かえって率直なお話しが出来ました。

因みに決算書というものは客観的事実、

と思われるかもしれません。

もちろんほぼその通りなのですが、

法人の意思が加味、込められたものと、

僕は考えております。

他界されたお父様の後を継ぐ方から

ご相談を受けたことがありますが

決算書を見せていただいたとき、

先代の意志、道半ばの無念さが

決算書から伝わり思わず涙したこともあります。

あっ、話しがそれました。


翌日、そのお客様が”補填”として工房にも、と

お菓子を届けてくださいました。

なんて素敵なことでしょう。





僕もお客様の気持ちに応えるための

とっておきの"ピース"を求め出かけた定休日。

取引先も僕の気持ちを汲み、素敵なご提案。

そんなときはいい出会いが待っているものです。

こうして気持ちの繋がりの先に出来る作品。

素敵なものになると思います。



2022年10月23日日曜日

50の風景。

 日程を決めた時から”その時”を迎える自分は

どんな心境なのだろう?と密かな楽しみだった

 見事な撤収作業を見届け空っぽの店で迎える

50歳の午前0時。

ちょっと期待していたところもありましたが

『やっぱりこっちか』と苦笑い。

それはそれで自分らしくていいのかも?



さすがに”折り返し点”とは言えない通過点は

自然とこれまでを振り返る気持ちになります。

端的に言えば、

”ない”中で今出来ることは何か?

そればかりを考えてきたように思います。

海外へ移住した兄からのメールは文末に大抵、

“エンジョイ”しろ、の定型文で結ばれます。

実はそれがとても下手な僕の性分が

付き合いの長い兄にはバレてますね。

(笑)

ミスチルの桜井さんがライブのMCで

『もし明日ミスチルでいられなくなっても、

きっと後悔はしないだろうな』

と言っててシビれましたが(説得力もあり)

僕は最善を尽くしてきたなどとても言えません。


『翌日も店開けるわよ。』とスタッフ。

少し休もうかな、という甘い気持ちも遮られ、

何とか最低限の準備をして工場へ”朝帰り”すると

机には従業員の改善提案書がどっさり。

さすがにカンベンしてー、と思いつつ

見ると最近赤ペン先生としてやりとりする

中学3年生のゴーストライターさんからでした。

外国人の父に代わり仕事の内容もわからず書く、

かなりな難易度です。

最初は赤ペン先生からのダメ出しで

提案書が真っ赤でしたが素直に受け入れ、

わずか数回ですっかり流れる文章となっていて

赤ペンを入れる余地なし。

感動で涙が止まらなくなった50歳初日の朝。


しかも仕事の内容を知りたいと工場に来て、

ついでに他の外国人の提案書まで代筆を手伝い、

そちらは見事1等事案。

人の役に立つ、という仕事の根本を体感出来、

彼女も悪い気分ではないはずです。

そしてこの肌で感じようと動く一歩こそ、

彼女にも従業員にも大切にしてほしいこと。

出会いという点を線で繋ぎ表れる絵が今の自分。

点が多いほど表情豊かに描けるように思います。

午後には初めて従業員がパーティーを企画し

面倒なことばかり言う上司を祝ってくれました。

従業員という存在あってこその、家族経営では

絶対に味わうことの出来なかった喜びを噛みしめ

またしても胸がいっぱいに…(笑)

今までサプライズ好きな僕が企画してきた

おっさんたちによる現場でパーリィー。

遊び半分、漫然と忙しがっている状態の従業員へ

時間は作り出すものという真面目な裏テーマを

機械の強制停止をヒントにと願っているのですが

こういうのって上司が主導しているだけでは

スベりがちなのが実際のところ。

今回、避難訓練+バースデーパーティーという

新たなパッケージにリニューアル。

貴重な時間を使うならより有効にという考え方、

ナイスアイデアです。

面倒な上司に格好のイジりネタを掴ませた

ツッコミどころ満載な避難訓練はご愛嬌として

ようやくバトンが渡せたようです。




夕方、店に戻るとスタッフが企画·作成も手掛ける

当店オリジナルサコッシュが2つ売れたと

誇らしげな報告あり。

歩けば身ぐるみ剥がされるカリスマモデル(笑)

あってこその売上と言えるのですが、

本人過小評価し過ぎで気付かないのがまた素敵。

とてもとても小さな会社の出来事ですが

どれも自分なりに撒いてきた種がようやく少し

根付いてきたかな?

50歳の風景も悪くないな、と

おかげさまで豊かな気持ちに浸る1日でした。


工場で倒れた父から救急車で受け取ったバトン。

僕の成長を待ち、母が50歳から始めた店、

というバトン。

1つでも順位を上げて次へ、

極めて単純なモチベーションをもとに、

良きことは1つ前進し、

良くないことはここまでとする。

戦国武将で2代目の名前が残らないように

繋がるかは別として、この交通整理までが

おそらくは大きな役割と気付きました。


『あなたは私より上品(じょうぼん)な人間。

良く学び、人生を切り拓きなさい。』


たしか生前最後の手紙に綴られていた一文。

兄がエンジョイなら母のそれは”よく学ぶこと”

結局最後にも書かせてしまったわけで、

まったく、”親の心子知らず”ですね。


『どうやら友達が私をどこかいいトコの

社長令嬢と勘違いしてるみたい』


と苦笑いする娘たち。(爆笑)

社長のムスメということは確かに嘘ではない。

でも実情に気付いているので、

社長にも年収200億のホリエモンさんから

(実は同い年)

”パパ”まで色々、という

ステレオタイプを疑え!!

他人の評価を信じるな!!

パンクなメッセージは果たせているかも?(泣)


『でもそのあとパパも頑張ったのよ』

と、後編を付加出来たあかつきには、

母と同じ思いを抱き、さらに、

僕からの定型文に『よく学び』が不要な娘たちに

”パパでもなら人生何とかなる”という

僕が両親からもらった(失礼だけど)

最高に安心なおまじないにはなるかも?

しれません。


長文、お粗末様でした。


2022年10月19日水曜日

一期一会エピローグ。

『真珠・一期一会』



洞窟探検より始まるパールワールド、

ご堪能いただけましたでしょうか?(笑)

冒険セット


鮮やかなる撤収作業を見届け、

カーウォッシュラビットさんのフル手洗い

出張サービスでピカピカにしていただいた

⇒ carwashrabbit.pro/

キャンピングカーを今年も無事に見送りました。

ご来店いただき誠にありがとうございました。


一期一会を大切に新たな挑戦を続け、

微調整を厭わぬ継続と工夫を繰り返し、

独自の世界観へと昇華させてゆく上村作品。

今年は今まで以上に意欲的で遊び心あふれる

展示でした。


『素敵な世界を紹介してくれてありがとう』

という有難いお言葉も例年以上に多数頂戴し、

企画者冥利に尽きます。

ジュエリーの展示会としては大変珍しいですが

毎年楽しみに足を運ぶ子供たちもおります。

目を輝かせながらじーっと作品を眺め、

作品に触れ、実際に身に着け鏡の前でポーズ。

ありのままの一言はなかなかに核心を突き、

真珠=ナニナニと、つい分別してしまいがちな

我々がかえって気付かされることもあったり。

あの時に触れた真珠作品から何かが芽生えた、

というきっかけになっているかもしれません。

まさに真珠のように意志や人が繋がってゆく、

家業を継ぎ、前進させてきた上村氏にとっても

喜ばしいことかもしれません。

また皆様に素晴らしい一期一会をお届けすべく

気持ちも新たに皆様の日常にちょっと楽しみを、

提供してゆきたいと思っています。

人生は一粒の真珠のよう。



2022年10月15日土曜日

真珠·一期一会

『ラン!!フォーレスト』


フォレストガンプで繰り返し登場するセリフ。

あれやこれや、イベント前の心境と重なります。 

(笑)

上村栄司氏の作品をご紹介させていただくことも

おかげさまで随分と回を重ねてまいりましたが、

キャンピングカーで到着後すぐ繰り広げられる

オーナー特権の"ディスプレイショー"が、

実は密かな楽しみだったりします。

あっという間に自分の店が別世界に。

今回も"まさかー""そうきたかー"のオンパレード

常連の皆様も非日常をご堪能ください。


イベントのスタートはタイトルを決定し、

DMを作成するところから。

これをクリアすると一気に準備が加速します。

担当者とは打ち合わせも一切なし。

こちらも長いお付き合い重ねてきて、

『ベルカテナマターは思い切りよく』と、

社長さんのお墨付きを頂いていますので、

僕の妄想が一歩先のかたちになって表れます。

このキャッチボールも楽しみのひとつ。

今回は"フォレストガンプ的な"というお題が

担当者もツボだったようでその日に出来上がり、

印象的なベンチも僕としては使いたいのですが

アイデアが湧かず、お任せにしたところ

"そうそう、こんなイメージ"という提案に

思わず大笑いしてしまいました。

掛け算の出来る仕事は本当に楽しいものです。



さあ、準備は整いました。

皆様を真珠の冒険へと誘います。

旅のお供に必要なアイテムは先着順になりますが

(ご来場頂ければその意味はわかります)

ご用意しておりますので、


是非、お出かけください!!



『真珠·一期一会』by Eiji Uemura

10/15~17

2022年10月13日木曜日

カウントダウン。

秋の日はつるべ落とし。

暗くなるのがすっかり早くなりました。

展覧会シリーズVol.2、布絵教室生徒作品展。

撤収はつるべ落としの如くあっという間。

飾るのは結構大変なのですが・・・(笑)。

そしていよいよ、最後を飾るのは上村栄司氏。



キャンピングカーに真珠とアイデア満載にして、

今年もワネストへとやってきます。



『真珠·一期一会』


と題し、ご案内させて頂きます。


店を継ぐにあたりジュエリーとどう向き合うか、

あまりの無知に糸口さえ掴めず焦っていた頃、

展示会で出会った上村さんの個性的なブース。

ピスタチオパール?蒔絵真珠?

アコヤと南洋真珠の区別もイマイチだった僕には

??のオンパレード。おまけに予算なしとなれば

簡単に話しかけることすら出来ず徘徊状態。

でもやはり気になり思い切って話しかけ、

顧客なし知識なし何もなしな現況を伝えたはずが

その2ヶ月後には店で個展を開催することに。

開催日までのカウントダウンは地獄の日々で

正直、ブースへ立ち寄ったことを後悔しました。

直前になり、一つでも伝えるヒントがないか?

手掛かりを求め伊勢まで弾丸ツアーを敢行。

実際は急に何かが変わるわけもないのですが、

覚悟を決めるためにとにかく動いた、という

事実が欲しかったのだろうと思います。

今となっては、もしあの時の一歩がなかったら?

随分違った景色になっただろうな、

それだけは断言出来ます。

(空っぽな中身に大した変化はありませんが…)

皆様にも上村氏の作品を通じ真珠の楽しさ、

一期一会の喜びをお伝えする準備をしていますが

僕の最大のミッションは店を空っぽにすること。

ですので10/13·14は臨時休業とさせて頂きます。

後はTEAM EIJI(お二人)が一夜にして店内を

見事な真珠の海にするマジックショーを

堪能させて頂きます。(笑)

これだけはちょっと贅沢な店主特権かも?


是非、お立ち寄りください。






2022年10月9日日曜日

布絵教室生徒作品展。

 恒例になりつつある秋の展覧会シリーズ。

VOL.2は第1・3水曜日の定休日に開講している

布絵教室の生徒作品展です。

布と糸だけで描かれる=布絵。

色を出すのに布を重ねたり、

布そのものの柄を作品に活かしたり、

ペインティングとはまた違う魅力があり、

チクチク好きな女性が集まりワイワイしながら

制作に励んでおります。

諸事情で一時お休みされた生徒さんが

落ち着いた頃にまたスッとカムバックする、

そんな温かい雰囲気のもと展開されていて、

当店の定休日は女性の花園になっています。(笑)

平井先生とは大山、第1章からのお付き合い。

お孫さんと次女が小学校で同級生なのをお互い知らず

運動会でバッタリお会いするなど不思議なご縁です。

6回目を迎える生徒作品展。

年々、作品のエネルギーが増してきて、

飾る側にも覚悟が必要になってまいりました。

まず、片付けしながらディスプレイの目星をつけ、

恒例の全作品床並べ。



以前U2さんから教わった手法なのですが、

ランダムに並べ、ファイトーいっぱーつ!!を飲み、

(これは教わったのではなくオリジナル)

脚立で高いところから全作品を俯瞰しつつ、

そこから浮き上がるアイデアを待ちます。

販売目的ではない分、色々なバランスも考えつつ、

というのはかえって難しいところもありますが、

本当に絵を飾るとなるとミリ単位で間隔を測り、

きちんと飾らねばならないので、

僕のような人間には到底出来ません。

その点は甘えさせてもらいながら出来る範囲で、

画廊チックではない飾り方でお楽しみ頂けるよう、

そんなことを心がけております。

今回のディスプレイはこんな感じで、








秘密の小部屋チックなこちら、



個人的にはお気に入りです。

11日まで開催しております!!





2022年10月5日水曜日

PATTO、デビュー。

 季節が変わる雨が降り始めた午後。

免許更新ついでに所用をいくつか、と思った矢先に

駆け込んだ銀行に財布を忘れ結局更新のみ。

財布が無事だったので仕方なしとしよう。

当店オリジナルブランドのaddress_b。

1点もの、一期一会な洋服からご紹介してみようと

何はともあれ勉強としてここまでは続けるとして

用意した製品用の布タグを1ロットを使い果たし、

おかげさまで2年目にして追加発注をしました。

この無名ブランドを立ち上げたことは少なくとも

僕とスタッフのマインドに結構変化を与え、


"無いのなら、1点でもいいから作ってみよう"


ネイビーのタグがその旗印のようになりました。

(笑)

そんなタグを纏いし初のバッグが出来ました!!

マグネットになっているフタが開閉にとても便利。

このアイデアありきで商品化をスタートし、

デザインや構造上でもっともバランスの良いサイズが

"ポーチ以上ミニショルダー未満"というビミョ~な、

もとい、"ニュアンスサイズ"(言い換えの妙?)

となりました。

具体的には携帯と2つ折り財布が収まるサイズ。

優しき作り手さんは『大丈夫でしょうか?』

と心配してくれましたが、ややひねくれた店主は

このビミョー(もとい、ニュアンスサイズ)に

むしろ愛着が湧いてしまいゴーサイン。

そこから生地の選定や細かいパーツの微調整に

何個も試作をし、その間行きつ戻りつの繰り返し。

モノづくりの大変さをあらためて痛感しました。

これはこれでとても良い勉強。

構想から1年以上、ようやくお披露目したバッグは

こちら、





えっ?何の変哲も…?

実はそれこそが相棒としてお使い頂くために大切かと

こだわったポイントです。

表地は耐久性と撥水性を備えた機能性ナイロン

CORDURAナイロンを使用。

ショルダーストラップは長さ調整もかなり自在で

栃木レザーの本革仕様という本格派ですので

肩に掛けると想像以上に高級感もあると思います。

address_bのネイビータグは肩掛け時の正面となる

左側面に配しました。

とても発色が綺麗なCORDURAナイロンは

カラバリも豊富で、他色使いのフルオーダーも可能。

それこそが僕なりのaddress_bらしいものづくりで、

このサービスが出来る方法を模索しました。

パッと開けられ、パッと取り出せる、

だから名前は『PATTO』。

実はゴルフのパットカバーをヒントにしていたり…

そのオマージュはそっと内側にデザインしました。

グリーンや青空をイメージ


ご来店の際はちょっと肩に掛けてみてくださいね。




2022年10月1日土曜日

ご褒美。

 10月。

金木犀がどこからともなく香るさわやかな週末の朝。


『あっ、まだ見せてなかったね。』


高校で支給(いや、どうやら高額で借りてるらしい)

されているipadのSIMカード交換作業を請け負い、

バーターとしてバサッと渡された次女の試験答案。

自分は見ないふりをしていた高校数学なんかも

〇が沢山ついていて、思わずこちらが

“ありがとう“と言っちゃいました。

(笑)

部活に推し活(こちらは相当忙しそう)にスケート、

いきいきと充実ぶりが伺えてなによりです。

最近すっかりお土産のスイーツも目標のために

“ノーサンキュー”とツレナイ返事で寂しいのですが、

自律心のなかなか強い妹を見て長女も刺激を受け?

パパの誘惑に”Me neither"(私も~ない)

妹の好きなものを姉が追っかけるようになったり、

絶対的上下関係だった姉妹にも変化が出てきました。


地元で才女と呼ばれた母の精神衛生上、

のび太君のようなテストなど持ち帰ったことすらない

僕の高校時代。(苦笑)

当時としてはフツーの都立高に通う

極めてフツーの生徒だったと思いますが

ユニークな先生(風貌はそれはもうユニークで・・・)

のもとで過ごしたサッカー部の日々は特別な思い出。

当時はまだまだ体育会系な時代。

強豪校はたいてい先生が恐ろしい。(苦笑)

その意味では都内屈指の強豪校な雰囲気でしたが

(笑)

「するな」より「やってみよう」に重きを置く

ご指導のもと、きっと当時では珍しい

ワクワクするサッカーを沢山経験しました。

ちょっとサッカーの話しになりますが例えば、

対外試合でツータッチまでという制限が課せられ、

フリーな状態で安易にツータッチしてしまい、

内輪のルール制限オーバーでウチの選手が突然、

相手にとっては意味不明のボールキープをはじめ、

仲間が笑いをこらえてサポートに行く、

そんな試合があったり、

強豪校との公式戦では試合の終盤までカメを決め込み

超ディフェンシブな戦いをしていた我々が、

先生が頃合いを見てサインを出すと

『テメーらなにやってんだよ!!!』

といつもアツいサイドバック(仮称ナベ)が

チームメイトに突然ぶちぎれる、

というのが実は戦術変更の合図で突如アグレッシブに

襲いかかり相手を混乱に陥れたり、(負けましたが)

ハイライトは負ければ引退の大一番、

ライバルとの決勝戦を前に先生の分析を元に

劣勢な我々が勝機を見出す手段を冷静に準備。

相手チームが仕掛けるオフサイドトラップに

1度目は知らんぷりしてわざと引っ掛かり、

2度目はそれをかいくぐり僕がゴールを決める、

そんな練習を何度も繰り返したシチュエーションが

本当に訪れた時、「先生すごいな!!」と思いつつも

走りながらそれはおそらく僕のサッカー人生で

一番すべてを背負った決めなければならないシュート

というプレッシャーのかかる場面、まさに全集中。

ひとり抜け出したところからは音のない世界で、

練習で先生から教わった、

"1トラップ目を大きく"だけを意識し、→成功!!

次、キーパーのポジショニングは?→左隅が空いてる

このままだと苦手な右足でシュートだけど?

→蹴った後も追いかけて体ごとゴールへ飛び込め!!

イチロー選手がWBCの決勝打で言っていたような

ゴールまで自らの解説付きスローモーションという

貴重な体験をしました。

その後追いつかれ、後半キックオフからわずか数秒

相手が誰も触れずに高島平連合3人で決めた

スーパーゴールが生まれ決勝点となったため

僕の先制点はすっかりかすんでしまい、

チームメイトも覚えてない地味なゴールですが、

個人的には背負ってきたことの集大成とも言える

とても重要な場面、

あの時『決めなきゃ』ではなく『決める』と、

強い気持ちになれたこと、

スローモーションのゾーン体験、

どうだ!!ではなくご褒美のように感じたこと。

全国大会とは無縁で無名チームのキャプテンとして

こんな素晴らしい経験が出来るなんて

なかなかないのでは?と思っています。

そんな仲間と飲むお酒は格別、になるはずでしたが

週休0日体制と台風に水を差され

久しぶりの飲み会にお開き寸前で駆け込むこととなり

すっかりあの頃の話しに加われなかったので、

こっそりここに書き残しておきたく。(笑)

オオモリシゲオを探せ