2022年6月29日水曜日

教訓。

 早い梅雨明けからいきなり暑さMAX。

ヒーター数台が稼働するのでこの暑さでも

従業員が”涼み”に外へ出る工場内はサウナ状態。

50℃を超え危険水域となり昼間に一度ストップ。

年間最困難期が前倒されるのキツいです。


この時のために日頃からなるべく手数を減らす工夫や

何よりお互いの呼吸とタイミングを合わせるよう

伝えているつもりですが・・・。


作るものに違いあれど、製造業では”現場”が

商品に表れる。

自分の工場でも、店で扱う商品を通じても

つくづく感じます。


6年前、僕の店主人生で最も難しい状況の中、

まさに藁をもすがる思いで微かな希望の光が射す

佐賀のジャンボさんまで無理な相談に訪ねました。

その際、工場も拝見させていただき、

温かい雰囲気に包まれていることがとても印象的で

店でお客様に”優しい靴です”と紹介してきたルーツを

垣間見た気がして、”現場が商品に表れる”を実感、

以来、自信をもって優しい靴とご案内しております。

そして、こちらの片想いではございますが(あっ)

勝手ながら当店の靴部門はジャンボさん1社で、

と決めております。

そのジャンボさんは


”足に優しく、人に優しい”靴


と掲げられておりますが、

僕は若干勝手な解釈を加え、


”優しい人たちが作る、足にも優しい”靴


と、実感を込めたアツめな語りになっているかと・・・

(笑)

クラウドファンディングについてはこちら↓クリック

https://tw-jumbo.co.jp/%e5%b7%a5%e5%a0%b4%e9%96%89%e9%8e%96%e3%81%ae%e5%8d%b1%e6%a9%9f%ef%bc%81%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%89%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%b3%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%ab%e6%8c%91%e6%88%a6/

その工場が困難な状況であるとなれば、

誠に微力ながらもお力になれればと思い、

『鹿革靴プロジェクト』のポスターを

店内にも貼らせていただきました。

是非ご一読下さい。



余談ながら、”僕の”困難な状況は

ジャンボさんのご協力とお客様の寛大なご理解、

そして”佐賀”がキーワードとなり

結果としては素晴らしい奇跡的な

”世界に1足のシューズ”としてお届することが出来、

『困難から目を逸らしたり、責任転嫁しない』

という苦くも貴重な教訓を学ばせていただき、

生涯忘れえぬ大切な思い出となっております。








2022年6月26日日曜日

鹿革プロジェクト。

 金曜日の強風が夏を引っ張ってきちゃったようです。

キケンな暑さとなって、毎日35℃超えの予報。

(泣)

これだけ暑いと、さすがにお客様も足が・・・

(泣)

こんな時こそと足を運んでいただける勇者には

何かが待っているかも?

(笑)


暑さ、寒さ、風に雨。

天候に振りまわされるちいさな店。

コロナにも打ちのめされましたが、

仕入先であるものづくりの現場にも疫災は

大きく影響し続けております。

生活様式が一変し、考え方を場合によっては

初期設定まで戻すくらいの変化も求められ、

といってそれは一朝一夕にはいかないことだったり。





例えば靴。

緊急事態宣言後に1日平均歩数は3割減少したという

データもあります。

歩かなくなれば靴も買い替える必要がなくなり、

お出かけしなければ新調しなくてよかったり。

当店でご案内している佐賀の靴工房ジャンボさんも

生産量がコロナ禍前400足/dayだったのが半減し、

工場存続の危機に直面しているとのこと。

難しい状況の中、それでも前へ一歩踏み出そうという

さすがはジャンボさん!!という新たな試みを

クラウドファンディングによって立ち上げています。

https://camp-fire.jp/projects/view/584889

『鹿革で靴を作り、職人をまもりたい!!』


彼女たちの熱い想いを是非ご一読いただきたいのと、

実際に靴を作るためにはこれだけの準備が必要という

ことも誠実に披瀝しておりますので、

ものづくりに携わる人間としても

皆様に是非ご理解頂きたいと思い、

情報をシェアさせていただきます。


もし、当店のお客様でご協力いただいた場合には

ベルカテナより特別なプレゼントも用意しますので、

どうぞお知らせください。



2022年6月22日水曜日

根っこ。

 夏至が過ぎました。

過ぎ行く時の中で少しは大人になった気もしますが

時々、自分の相変わらずな初々しさ?に

呆れてしまうこともあります。

なんとなく舞い上がってしまうのでしょうね。

毎回、少しづつ新たな試みをしてみるものの、

”根っこ”が変わらない、ということに気付かされ、

ずっとこのままなのだろう、と苦笑い。


すみません、独り言です。


お誕生日を教えていただいたお客様に、

バースデーカードを贈らせて頂いております。

こちらも自分の”根っこ”のようなもので

もうずいぶん長く続けておりますが

お付き合い頂いておりますお客様より

毎年カードを飾っているというお言葉や、

お手紙を頂いたりすることもあります。

”カード特典”も漸く少し浸透してきたようで、

それを楽しみに事前に下調べをして

お買い物計画を立てられる、という方も。

もちろんこちらから年齢はお聞きしませんが、

会話の中で還暦などの記念に、と伺うと

お祝いさせて頂けることは誠に光栄ですし、

こんな時も舞い上がり、特別な何か・・・と

あれこれ考えてしまいがち。

こちらの根っこは変えるつもりもありませんので

お付き合いいただければ幸いです。



<追伸>

しばらくアメリカ系のカードを使っておりましたが

今月よりイギリスやフランスのカードに

変わっております。

皆様を思い浮かべ、毎回10数種から選びますが

お気に召さないものもあるかもしれません。

素敵なものばかりですので、どうかお許しください。






2022年6月18日土曜日

遠回り。

 6月の第3日曜日は父の日。

僕自身、母の日と同じ第2週と記憶していましたが。


先週のミスチルライブが最高のプレゼントと

娘に伝えたら『それ来週。』と訂正されました。

子供の頃の父の日の記憶がなく、何故?と思い

調べたら制定は1981年。

一応由来はあるものバレンタイン的なあれ、ですね。

(笑)

店主もここぞとばかり、”メンズ”をセレクト。

ややこだわり過ぎな?受注生産品のため、

入荷が父の日ギリギリになってしまいました。









”ぷっちょのケースにすら美学のあるオトコ”


”素敵!!”となるか?

”面倒くさい人”となるか?

日頃が問われてしまうかも?

僕がどちらかは・・・ネ?

でも、そういうことも”さまになる”未来もまた

脱線してみたり遠回りしてみたりという

遊びの一歩から始まるのではないでしょうか?


A・B・C地点をグルグルと回る日常。

Bからちょっとだけ遠回りをしてCへと戻る。

些細で何でもないことだけれど、

少なくとも僕にとってはそれが豊かに、

彩りを与えてくれる出来事になったりもする。

(未だミスチル熱冷めやらず『彩り』かぶれかも。)

それはとても有難いことですし、

遠回りを軽やかに楽しむ”遊び心”。

これからもずっと持っていたいものです。

ボクのエネルギーチャージはもちろんコレ(笑)



2022年6月15日水曜日

半世紀へのエントランス。

『半世紀へのエントランス』

30周年を迎えたMr.Childrenのスタジアムライブ。

定休日に極上の時間を堪能しました。



ライブチケット購入も最近ちょっと難しくなり、

スマホで会員登録だのチケットの分配だの、

ほぼ娘たちの後に付いてゆくような状態。(笑)

こういう時に時代遅れになりつつあると感じます。

そんな娘世代のハートもがっちり掴むミスチルさん。

ほぼベストアルバムしか聴いてない俄かファンで、

しかもライブは初参加。

ファンのお約束も良くわからない我が家にとっては

声を出せない現状が気軽でいいかも?でした。


30年ずっと一線で活躍し続けるということの重み。

当たり前のように7万人を埋め尽くし、

4人+サポートメンバー1で重厚に、時に軽やかに

積み重ねてきたバンドとしての呼吸が

深みのある音を奏で、『終わりなき旅』で始まった

1曲目から圧倒されっぱなしでした。

24曲、3時間を軽く超えても衰え知らずな

桜井さんの歌。

厳しい世界を生き抜いてきたのに信じらないほど

ピュアな笑顔、偽りのないMC の言葉。

きっと“今が大好きだって躊躇なく言える”

のでしょうね。

半世紀まで突っ走っていただきたいですし、

半世紀ライブを余裕で楽しめるように、

こちらも頑張って生きましょう。

余談ですが我が家でのミスチルは、

次女の塾通いに車でよく流していたという物語。

彼女、ライブに感激のあまり?帰りのスーパーで

まだ買ってない水を持ったまま出てしまい、

僕が慌てて追いかけ、事なきを得ました。

昔、スーパーで考え事をしていた母がレジを通らず

買い物かごのまま出てしまい、息子として

どうしたらよいかわからなかった記憶がよみがえり、

受け継がれゆく何かを感じました。

あのときの顛末が思い出せないのは、

もしや消したい過去、だったりして…?

いやいや半世紀近くだから、でしょう。

 

2022年6月10日金曜日

今年最後の…

 1対3。

サッカーでは追いかけるのがちょっとキツいスコア。

我が家でも女性陣3に割って入るのが難しく、

一歩間違えると総スカン・・・となります。

先日も女性陣が”推しメン”の話題で盛り上がっていて

『30代でも歌って踊れてすごい!!』

なんて言っていたので

『50前のパパはこれから夜勤に戻るよ』

とかぶせてみたら完全スルーでした。(苦笑)


美味しいパンを7:30から販売するパン屋の仕込みも、

素敵なお花屋さんも、

仕入れの日は2:30スタートとのこと。

それぞれ、見えないところで色々あります。






ここ数日インスタでお財布をアップしていたところ

弊社最高幹部(笑)より

"今日は一粒万倍日と天赦日が重なって最高の開運日

なのでお財布の購入などにとても良い日です。

今年は今日が最後なので

お財布購入に悩まれるお客様がいたら

是非おすすめしてみてください。"


という指令がありましたので…

本日はスタッフが17時までお待ちしておりますので、

億万長者になりたい皆様は急いで急いで!!


以上、天赦日が読めない店主からの

不安商法?でした。(笑)

中身を綺麗にしたい場合はこちらを(笑)



2022年6月5日日曜日

拠り所。

 早朝、娘たちを車で送り、早起きついでに

地元で気になるパン屋さんの開店前一番に並び、

パンの香りに包まれる幸せな日曜日の朝。



1点もののカバンなど、

6月も新商品が入荷しております。




6月の誕生石は真珠です


先日駆け足でインテリアライフスタイルショーへ。

この展示会は比較的各社ブースを作りこむので、

勉強のためわずかな時間を縫って出掛けています。

今回は最近の中では1番、出展者の熱を感じました。

"コロナトンネル"から脱しつつあるのかな?



いくつか面白いものと出会いましたので

後日いくつかご紹介出来るといいのですが。

会場をウロウロしながら

以前はこちらじゃなくあちらに足を止めてたな・・・

そちらのテイストも嫌いではないけど、

今はこの雰囲気を追いかけてみよう、など

意外かも?ですが自分の好き嫌いは置いといて

全体のバランスを考えている(つもり)です。

コロナ禍、address_bオリジナル洋服販売を通じて

以前の真逆に近いレンズに交換した感覚なので、

前よりは視野も広がったのかも?

個人的にも新鮮な空気を楽しんでいます。

とはいえ正解がないもので、いつも迷います。

展示会ではこちらの気分も高ぶっているので

しばらくインプットを寝かし、

最後は自分を信じる、といったところでしょうか。

これまでの失敗の数々が大きな拠り所でもあるので

その意味では人生に無駄はない…かな?

(笑)

展示会の出口で名札を外したときにメガネを落とし、

自分で踏みつけてしまいました。

親切な女性がレンズを拾ってくださり、

『大丈夫ですか?』

と、声を掛けてくれましたが、見合わせて、

"大丈夫じゃなさそうですね"

と笑ってしまいました。

こちらは無駄な出費が増えてしまいそうです。

(大泣)






2022年6月2日木曜日

テッセラ

6月。

同級生のグループLINE”経営者会議”(笑)でも、

各業界で部品が足りないという報告会になるなど、

製造業は需要>供給による不透明感が続いています。

工場で扱う基礎素材、塩ビでさえ1年でほぼ倍に。

ジュエリーを作るうえで欠かせない18金なんて・・・

驚きの単価となっております。(泣)

『資本論』の具体例のような様相ですね。

"あのときインゴットを買っておけば"

なーんて、買えたためしもないんですけど。

この状況ですと持つものと持たざる者の格差は

益々広がってゆくことでしょう。

(僕は情熱だけは持ってる方、だと思いこむ)

当たり前に売れていたものがコロナ禍長期化により

縮小均衡となってしまったものも多々あります。

出掛ける頻度が減り、またはほぼ出掛けなくなると

『お出掛けグッズ』が不要になります。

小さな店はそういうもので埋め尽くされていまして、

一生懸命良いものを作る努力をしているメーカーから

苦しい状況がこぼれてきて、嘆かわしいです。

ベルカテナの取引先は幸いなことに苦しいながらも

立ち止まらず新たな試みをしている人達が多く、

おかげで僕自身も同じ方を向いていられます。

200年前の智慧と現代を掛け合わせ未来へ


その昔、イタリアのモザイク職人も

バチカンの壁画修復完了後仕事がなくなり、

生き延びようとする情熱から

精緻で美しいマイクロモザイクが誕生しました。

世界中で金が全く流通しなくなると、

少ない地金をいかに豪華に見せるか?

金細工職人たちの試行錯誤からカンティーユという

美しい金線技法が編み出されました。

それぞれがアンティーク技法として時代を超えて

現代でも人々を魅了しています。

火事場の…いや、これこそ叡智と言えましょう。

その時代を諦めなかった人々の紡いだバトン。

一人ひとりはマイクロモザイクのテッセラ(ガラス片)

のようにちいさい存在ですが、

未来へとつながる一歩は、まるで曼荼羅のように

テッセラ1片1片に宿されている。

そんな気がしています。