2020年1月25日土曜日

同じものはない。

どこでも眠れるという数少ない特技に合わせ?
我が家にも店にも敷いているギャッベ。
カラフルなフリーデザインの絨毯は
草木染めの羊毛がフカフカに織られており
インテリアのアクセントとしてはもちろん、
体感的にも視覚的にもなんとも温かく
見ていて飽きません。
イランの遊牧民、カシュカイ族の女性が
糧を得るための手仕事であり、
花嫁道具として持たせると言います。
経糸横糸の密度によりフカフカ感や
デザインの繊細さに違いが出てきますので、
密度により呼び方が違ったりもしまして、
少し乱暴なまとめですが
粗い=ギャッベ
中間=アマレ
細かい=リーズ
と、定義はありますがざっくりこんな感じです。
店主、何度も覚えては忘れを繰り返し、
ようやく定着したと思われますので
今のうちにご紹介しておきます。(笑)
例えばこちらは『アマレ』となります。

昨夜は”オールドギャッベ”にお世話になって
暗いうちに工場へ戻り荷捌きをする
”自称”遊牧民。(笑)

最近は工場で規格化されたギャッベもありますが、
当店で扱うものはサイズ、デザインも
同じものはない1点もののみ。
店主が一足先に頂く出会いの楽しみを
お客様と共有する瞬間はとてもワクワクします。

ギャッベ同様まさに一期一会、出会ったら逃すな、
がセオリーなのが宝石。
華やかそうな?ジュエリー業界の展示会では
世界中から集う途方もない数の宝石から
バイヤーはときめくわずか数石の出会いを求め
ご想像とは違う地味な世界が繰り広げられます。

売る側も買う側も必死ですし価格は天井知らず。
通い始めは無知の恐怖とパワーに圧倒され
”見学者状態”でしたが、
何事も続ければそれなりに慣れるものですし、
お話し出来る方がポツリぽつり増えてくると心強く、
なによりお客様のご要望があることで同じ展示会でも
本当に多くのことを学ばせていただけ有難いです。
嘘、はったりも横行する”寅さん的”世界ですが、
美しいものは高い、これははっきりしております。

頂いた今回のお題は自分では未開拓の分野。
無知ゆえの無関心を興味がないと決めつけることが
いかに視野を狭くするかを痛感させられました。
あの理由はそういうことだったのか、などと
現場で答え合わせというお勉強も。

恥ずかしながらそもそもジュエリーとの関わりは
無知ゆえの無関心からが原点。
中でもその筆頭格である真珠から多くの素敵な
出会いや学びを頂いているわけですから
人生わからないものです。

そして今回はシェルカメオ。
イタリア南部、ナポリとポンペイの中間に位置する、
ヴェスヴィオ火山の麓の村、トーレデルグレコが
全世界の95%を占めるという大産地。
(調べました。)
もともとサンゴ関連の生産地でアフリカからサンゴを
持ち帰った中に現地でもらった珍しい貝殻を
誰かが”彫ってみた”のが始まりとのこと。
(片言英語+通訳交え伺ったお話を調べて補足)

カメオも家内工業の多いイタリアらしく家族経営や
個人事業主が多いのも、イタリア製品に惹かれるのも
何か自分のアイデンティティーに通ずるものあり?
なのかもしれません。
加えて、何故かスーツ族よりもラフスタイルの方に
惹かれてしまいがちなのも・・・。

ちなみにそのアフリカ産のシェルはコーネリアンで
ややクラシカルな印象かと思われます。
現在は濃淡のはっきりしたシェル、
サードニクスが主流です。

新しいものが古くなり、古くなったものが新しく、
歴史は循環するものです。
とても新しい印象を僕は受けましたが
皆様にはどうでしょうか?




2020年1月22日水曜日

その先の先

関東は暖冬雪多し。
今冬はスルッと行くかと思いきや
日~水曜まで雪だるまマークという
あまり見たことのない天気予報。
そんなに降られたら、と慌てて今更ながら
スタッドレスタイヤを装着。
2月は雪が多くなるかもしれませんね。

1月行く
2月逃げる
3月去る

商いでよく使われる言葉のとおり
1月もあっという間に過ぎてゆく中、
1年の計は、とばかりもう一歩先へ、と
もがいております。(笑)
少しかじっている程度でさえ、
どうしよう?どうすれば?・・・
??のオンパレード。
それでも全ては自己責任なので、
深く考えるよりとにかく挑戦してみる。
アブネっ!!と肝を冷やしたり、
取引先から伺ったことが体感出来る
なるほどの瞬間があったり。

言い訳しないで、というこれも取引先の言葉を
自分に突き刺し、不器用な自分と向き合うと
なんとなくぼやけていたテーマ一粒ひと粒が
繋がりを見せはじめ、面白いぞ、と期待しつつも
いやいやまだまだその先の先なのだろうな、
と思われたり。

大回りの同行者を別の”えさ”で釣り上げて
これから進みたい道、進むべきと思われる道を
初めて案内してみる。

”まだこれからも大回りなの?と呆れつつも
今回は”えさ”があまりにおいしくて
少しは意義を感じてくれた模様?
いやいやまだまだこれもその先の先(笑)


2020年1月18日土曜日

マイナス1.

夜中の積雪予報は幸い当たらず。
コンテナ荷捌きが無事に終わった頃から
ちらほらと雪が舞い始めました。
積もらないでほしいと願う大人となりました。
底冷えのする週末の朝。

1月14日、ウインドウズ7のサポート終了を
ギリギリで気付き、急ぎPCの更新作業から始まり
あれこれと我ながら呆れる程に頼んでない
”アラカルト”メニューが次々ともたらされ、
気付けば今週が終わるとあっという間に1月も後半。
如何にもネズミらしい幕開けです。
(いつものことですが・・・)

ちょっと先の打ち合わせではワクワク感のある
方向性を確認し、一歩前進。
長く頭の片隅に置いていた課題が1つのきっかけから
アイデアが湧き、繋がり始めたことも1歩前進。

但し、先の希望をやや追いかけ過ぎてしまい
”現実”のことがずしりと重くなり3歩後退。
結局はマイナス1歩といったところですが
前進しない0マイナス1に留める努力よりは
はるかに考えることが増えてる気もします。

思い描いていたことをかたちにする。
動き始めると学ぶことが増えてゆくもので
簡単に越えられそうと思っていた壁が近づくにつれ
大抵は思いのほか高いと気付かされ怯みます。
ウィンドウズ95な我が頭脳は処理が追いつかず
昨夜はオーバーヒート気味で本当にポカポカし、
思わず笑ってしまいました。

許容範囲を超えフリーズ!!などとならぬよう
バージョンアップを図ってゆきたいものです。
出勤組でノンアルパーリィ





2020年1月15日水曜日

密会。

火曜日の朝は結構ドシンときた地震で
目覚ましが鳴るちょっと前に起こされ、
今朝はプレハブの壁に打ちつける雨音に
エンジン音が混じってしまい、
これまたアラームちょっと前に起こされる。(泣)
もうちょっとで起こされるがっかり感・・・。

雪の確率も高いこの時期の南岸低気圧通過も
寒くなくしっかりとした雨。
荷捌き後の屋外トイレの配管解氷作業がないのも
個人的には有難いことですが、
頭を悩ませている方も多いことでしょう。

と、いいながらちいさな工場でも連休明け早々
(工場は祝日稼働ですが)
主電源が壊れるという十数年に1度のトラブルで
機械を動かすことが出来ない状態に。
部品を発注するも特注品のため納期が10日。
それではさすがにお手上げなので電気屋さんに
文字通り泣きつき、察してくれた業者さんが
職人さんを手配して下さり、偶然持ち合わせていた
中古パーツで対応出来たため、ありがたいことに
午後にはなんとか無事復旧することができました。
何でもネットで買える時代ですが、
我々のような仕事では
いざという時のために取引を切らさないことも
リスクヘッジのためにはとても重要と考えていて
実際、今までのピンチも色々助けていただきました。
落ち着けー。

復旧のメドがたつまでは最悪のケースはもちろん
数パターンを想定し頭をフル回転させ善後策を練り
従業員に細かく指示を出し走り回る。
バタバタ対応しながら一方で滅多にない貴重な機会を
如何に従業員たちに経験、克服させるか?も
かなり意識するようになりました。
ピンチをチャンスに、
なにかとネバネバ問いかけております。(笑)

夜はワネストで”密会”をして、気付けば22:30分。
冬に蒔いているいくつかの種。
春に芽吹くといいのですが・・・。

2020年1月11日土曜日

15分。

新年の仕事がスタートして1週間。
暗いうちからトラック4台の荷捌きと
すっかり通常モードになりました。

今のところ暖かい冬ですが、
外で風切って作業をしていると
さすがにつま先の感覚がなくなります。

年末に従業員へ提案した”餅ベーション”。
早速、少しリアクションがありました。

相手に合わせるのではなく、
相手を自分達に合わせさせる、
リアクションサッカーからの脱却を目指そう!!
高校時代チームメイトと熱く語っていましたが
決めごとのもう一つ先で呼吸を合わせられる
強いチームになるためにも、
まずはスピーディーなリアクションから。
幸先の良い新年のスタートかと思われます。
15分でした。

少し偉そうなことを言いながら店主としては
お客様からの素朴なご質問や簡単なご依頼に
スピーディーなリアクションが出来ず、
自らの不勉強を新年早々思い知らされ、
慌ててしまう始末。
大変失礼なのですが、おかげさまでシャキッと、
こちらも幸先の良いスタートとなりました。

商品のご紹介も、つい自分の視点だけに陥りがち。
お客様からご質問をいただくことで、
かえってこちらが学ばせていただくことも多く、
(もちろん都度反省させられますが)
恥ずかしくもとてもありがたいです。

商品のご質問、お探しのものなどございましたら、
是非、僕やスタッフに気軽にお話しください。
馬革だけに、と考えるも伝わらず

”初荷”がポツポツと店頭に並び始めました。
新作のバッグ、いい感じですよ~。(笑)
(店主の悪い癖で時間のかかる仕入れが
多い中、珍しく旅立ちが速いのは
ここだけの話しです。)
冷えてます(笑)

体調崩されている方も多いようですので
どうぞご自愛ください。

2020年1月5日日曜日

出帆

昨夜の雨で濡れた路面が放射冷却で凍らないか
ノーマルタイヤのままなので心配しながら運転し、
早朝の出荷作業より2020年の仕事始め。

家族全員、制約のない”時間”を楽しんだお正月。
(言い換えればダラダラと、ですね。)
元日は実家でおせちをつまみながらお酒で撃沈。
休みはつい詰め込んでしまう傾向があるのも抑え
いつもは出来ない美術館へ足を運んだり
早めの夕食を食べながらDVDで映画を観たり、
子供の宿題を手伝いながら小説を読んだりと
久しぶりにゆったりとした時間を過ごしました。
(要はダラダラと、ですね。)
ミナペルホネン展『つづく』


何はともあれ、親も含め家族が健康だからこそ。
聞いて、聞いて、だった長女もいつの間にか
上手に祖父の聞き手を務めるようになり、
隣で宿題の詩を書いていた次女の
その出来栄えに驚かされたり。

家族全員揃ってお正月を過ごせることも
そう長くはないんだろうな・・・、と少し考え、
ありがたい”今の風”を帆に受けながら
今年も出港することにしましょう。

2020年1月2日木曜日

道。

明けましておめでとうございます。
お正月は如何お過ごしでしょうか?

紅白からゆく年くる年で新年を迎える定番が
今年からテレビの支配権は娘たちに完全移行し
カウントダウンはジャニーズとともに・・・。

昔、親父がトシちゃん、マッチの区別がつかず
世の中にもっと関心を持つべきだ!!
などと、講釈を垂れていましたが、
ついに僕も娘たちに鼻で笑われる始末。

まわるまわるよ時代はまわる、かな?
(笑)

紅白で今年流行ったと紹介された歌も
結構聴いたこともなかったのには我ながら
ちょっとビックリしました。
それにしても今のJ-POP、多様性と質の高さは
すごいですね。子供たちが普段耳にしている音楽が
このクオリティだとすると、残ってゆくのも
非常に厳しいでしょうね。
一方、松田聖子”ちゃん”も昔のまま。
この凄さにも純粋に感動しました。

少し生意気ですが、ブレずに続けていることの
凄みを感じました。

オリンピックイヤーの2020年。
ちいさな工場としては”祭りのあと”に以前から
かなり危機感を持ってきた年の幕開けとなります。
製造業はここ数年、今年を旗印に動いてきました。
”その先”についてのビジョンは
あまり考えないようにしてきた感さえあります。
いずれにせよ誰にも予測出来ないことですが、
あの道 、その道、新しい道を見つける努力と
進む勇気が試される局面を迎えるかもしれません。

数年前まで約30年と言われていた会社の平均寿命、
現在は約22年まで縮まったと言われています。
初代が夢中で仕事して2代目で息切れというスパンは
凄く実感として理解出来ます。
現状維持でも安閑としていられないほど変化は速く
変わることに躊躇しないこと、
変わらず続けること。
バランスよくまっすぐ進んでゆく理想よりも
整えるのは後回しにして蛇行しながらでも
とにかく前に進んでみるほうが大切かと思います。

ちいさい店、こちらは絶滅危惧種(笑)。
どの道、この道、難しい道。
ならば振り幅大きくし学ばせていただく。

時にはどんな花が咲くのかもわからない
種を蒔き、お客様やスタッフと一緒に
発芽から開花までをワクワク見守る、

そんな中から少しずつ道の先を照らす
灯明を見つけてゆければいいな、
と考えております。

どうぞ気軽に寄り道してください。
本年もよろしくお願いします。

ベルカテナ
店主 安味