2019年8月17日土曜日

広く。

関東の気温は体温並みに。
という恐ろしい予報が出ております。
実際、朝からすごい暑さです。
命の危険、というメッセージまで送られると
ご来店のお願いも控えないと、ですね。(苦笑)
せめて、ドアを閉めて店内涼しくしておきますね。

夏休みをいただき、昨日から通常モードに。
工場の早朝荷捌きは今朝からでしたので、
少しゆったりした気持ちでスタート出来ました。

長く購読している有料ブログに掲載される
書家、水島二圭さんの週一コラム。
酷い字の僕に『書』は関わりのない世界ですが
道を探求し続ける氏の生き様から紡がれる
含蓄ある言葉は万事に通じて学び多く
毎回楽しみにしています。

「深く掘ろうとするならば、
 広く掘りはじめなければならない」

折しも最近になって漸く痛感していることを
見透かされたような今週のタイトル。
知らないことに防御壁を築いてしまいがちな自分を
いい意味で壊してゆくことがこれからますます
必要かと感じています。

達筆と呼ばれる『書』を見ても、

”読めないじゃん”

と切り捨てていた僕でも
その深さに触れてみたい気持ちにさせられます。

休み前にKEIKOさんを工房に訪ねました。

日頃、お客様に当店のジュエリーをご案内する時、
ハンドメイドジュエリーの特徴として、

『板から伸ばし、叩き、削り、彫り、磨き・・・』

と説明させていただいておりますが、
コラムタイトル同様、まさに自分の言葉を
かたちにしたような新作に出会いました。
電車のホームから山を眺めていて見つけた
白い花咲く木。その葉をモチーフにというこちら、
板を伸ばし、
叩いて曲げて立体感を出し、
いくつかのたがねを使い分け表情を豊かにし、
磨きも粗目から徐々に細かいものへと、
何度も繰り返してゆく。
シンプルな中に僕の言葉なんかよりわかりやすく
作り手の表現、技術が凝縮されております。
因みに雨の滴のような真珠は真ん丸ではなく
南洋黒真珠のケシ(無核真珠)です。


僕は、と言えば、後からこっそり、

『こちらは何の葉っぱですか?』

色々、恥を忍んでかなり広く掘らねばなりません。(苦笑)
ご本人曰く、
『ヤマボウシですが、ギザギザが少し深い。』
初夏に白い花を咲かせ、秋には美しく紅葉する
というヤマボウシ(Google調べ)。
お詳しい方には、より深く作家独自の視点を
味わっていただけるものと思われます。

当店でご紹介させていただいているジュエリーは
作家が一つひとつ試行錯誤を繰り返しながら
かたちにする作品です。
一つの作品の出来映えに満足しつつも
より良き次への課題も見つける。
考え続け、手を止めず作り続ける。

作家達の作品を通じて、ちいさな店を訪れた皆様に
ハンドメイドジュエリーの素晴らしさ、
身につける喜び、楽しさを
店主はせめて、常に心に宿題を抱えながら、
ジュエリーは全く関心がないわ、という方にも
意外と知られていない未知なる世界の扉を開ける
きっかけを作れたら、情熱だけは知れば知るほど
以前にも増して持ち続けています。

Ted






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