2019年5月15日水曜日

冒険の書。

『おやすみ。』

大抵電池切れで力尽きたように寝ている長女から
久しぶりに聞いた一言がなんとも新鮮。
なにか気持ちの変化があったのか?
それとも偶然の出来事なのか?
単にいつも僕が先に寝てしまっているだけか?
夜、顔を合わせる時は経過観察してみましょう。
(笑)

お客様が大切にされているものと作家を繋ぐ
役目となるジュエリーリフォームでは、
仕事を通じ深い感動をいただくことがとても多い。
ジュエリーに携わり始めた頃は軽い気持ちで
”とりあえずリフォームを紹介してみよう”
と安易に考えていたものですが、
お客様から伺う1石1石にまつわる物語の深さ、
重さを知るに連れ、当店を信頼し、預けていただく
ことの責任を重く受け止めるようになりました。
おそらく、実際に製作する作家にとっても
自分の作品以上にエネルギーを要する作業かと
思われます。
石そのものに向き合い、石にまつわるストーリーも
加味してのデザイン作成となるので通常ですと
石をお預かりしてデザイン画のご提案まで
少しお時間を頂きます。

40年、大切に保管されていたボルダーオパールと
ペンダントとして愛用されていたオパール。
石の物語、40年のご夫婦の歩みも伺いながら
少し男性的なフォルムのボルダーオパールを拝見し
僭越ながら、今までジュエリーに関心のなかった
ご主人にも是非身に着けていただきたいと、
ハンドメイドジュエリーを纏う楽しさ、魅力を
何度も熱くお話しさせていただきました。
いつもはここまで勝手なご提案はしていない?
つもりですが、転機を迎えられたご夫婦に少し
”何か”をもたらす
そんな力を秘めているように感じ、
正直な気持ちをお伝えしたつもりです。
僕と同じく作家もなにかをビビッと感じたようで、
翌日にはデザイン画が送られてきました。
フルオーダーデザインが翌日、しかもタイトル付き
こんなことは長年仕事をしていて初めてです。(笑)
おそらく他の工房ではなかなか扱っていただけない
特殊な石なので製作は慎重に進めねばならず
お時間をいただきましたが、案の定、
出来上がり届いた作品のフタを開けると

”ブワッ!!!”

と、一陣の風が・・・。

唯一無二の素晴らしい作品に仕上がりました。
奥様にはピタリとお似合いでひとまずほっとし、
年輪を重ね、初めてジュエリーを纏う”冒険”、
ご主人にも楽しんでいただければ、と思います。
(オパール好きな店主はかなり羨ましいです)

冒険の書を添えて。
山紫水明


Ted



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