2018年10月24日水曜日

三代目。

日曜の午後。
久しぶりに高島平団地のスーパーでお使い。
松坂屋ストア→大丸ピーコックがいつの間にか
AEONグループになっていたことに
レシートで気付く。


Work for life,
企業戦士の前線基地、その兵站の役割を担い
活気のあったスーパーも皆が現役を退いた今は
驚くほどに静か。
当時小さかった木々も大木となって生い茂り、住環境が整ったのと裏腹に一代限りの”故郷”
マンモス団地は訪れるたび少し寂しい。


Work as life,
浅草の革問屋街を展示会に初めて訪ねた。
職住一致で忙しく働いていたであろう街。
活気に満ちあふれた残像も留めず、
こちらも平日昼間というのに驚くほど静か。
小さな町工場が軒を連ねていたと思しき界隈は
多くがマンションや戸建ての分譲地となり、
きっと生業が新住民から
『うるさい』とか『臭い』と言われ
子供の頃読んだ『ちいさいおうち』のように
肩身の狭い思いをしていると想像される。


数少なく開いていたそば屋さんに立ち寄る。


僕達の注文を受けた後、
もう1つのテーブルの常連客に
『これから出掛けるけどこれどうかしら?』
と、前掛けから素敵に変身した洋服について
聞いていた女性。伺うと、なんと82歳。


ずっと休まずそば屋を守ってきた、
という凛とした雰囲気。


帰り際、厨房のご主人に
(と思ったらご子息でした、失礼。)
お話しを伺うと、祖父の代からの三代目。
手書きメニューで?と思ったラーメンも含め、
毎日、すべて手打ちでご提供、とのこと。
(素朴な味ですが、近くにあったら
きっと同行した女性スタッフ
ともども頻繁に通うと思います。)


『昔は夜も残業して働く界隈の食堂でしたが
今はすっかり残業もなくなり来客もないので
夜は店を閉めて、別の仕事をしています。』




個々の頑張りだけではどうしようもないこと。
諸行無常、といえばそれまでの、
自分だっていつ呑み込まれるかわからぬ
時代の流れ。
抗うことなく受け止め、
受け入れてゆかねばならぬこと。


ただ一度の訪問で感傷的になるのは失礼ですが
下町に聳え立つ対照的なスカイツリーは
彼らにはどう見えているのか、
ちょっと考えていました。


同じ三代目として自分の世界を築き、
前へ向かっている作家をイベントでご紹介
させていだだいた直後、
状況は違えどブレずに日々を過ごす、
シンプルにそんな仕事が全うできたら
それは幸せなのだろう、と思う。


Ted













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