2018年6月30日土曜日

Going concern

早朝から強い日差しに照りつけられ
空気は既に夏特有の重さを含んでいます。


梅雨明けですね。


Going concern.


経理に関する本を読むと大抵目にする言葉。
例のごとくまずは形からの僕も若い頃、
『初めての経理』という本から得意の
『3ページノート』(笑)1行目に書いたと
記憶しています。




企業は永遠に継続するものであって、
継続して存在していることを前提とする
という企業会計の基本思想。
この基本思想も実際なかなかに難しいもので、
例えば中小製造業者の数はピークから
半減したと言われています。
統計の数字も実感として頷けます。
新聞で紹介されていた伝統的ほうき産地の
製造者三代目。記事によると住宅の近代化で
需要も激減、原料となるホウキモロコシの
生産者もいなくなり、事業継承のためには
ホウキモロコシを育てることから自分で
行わなければならないとのこと。
でも、1年かけ無事に育てられても収穫量は
わずかほうきおよそ600本分。
当然、天候に左右されてしまう。


いつの時代も、環境変化の中で多くは途絶え、
変化をしなやかに捉え、勇気を持って
前向きに対応したごく少数が荒波の中で
事業を継承してきたのでしょう。
自分も荒波に呑み込まれてしまう側になる
可能性も大いにあると承知しておりますが
(苦笑)
人間の体と同じく常に
新陳代謝は必要だとは認識しています。
ただ、こと製造業に関しては代謝ではなく
一方的に衰退していてそのスピードが
すさまじいですね。
ちょっとした機械の修理などで職人の手や
知恵を借りたい、
そんなことが難しくなってきました。




2日間のイベントでご案内させていただいた
上村栄司さん。
真珠養殖業3代目という運命に向き合い
生産者として1つでも、少しでも美しい真珠を
4年というあこや貝のいのちと引き換えに
産み落としていってもらおうと、
まさしく貝と無言の会話をし続けることから
仕事をはじめ、積み重ねてこられた中で
独自の世界観を築き上げ、今もなお謙虚に
前を見つめ、進んでいる。


『パールっておもしろい。』


上村作品をご紹介させていただくことを通じて
お伝えしたいことはいつもシンプル。
ちいさな店に広がる真珠の海。
積み重ねの中で、ひとり、またひとりと
お楽しみいただくお客様が増えてゆくことが
なにより嬉しく思っております。


ご来場ありがとうございました。


片付け作業も一陣の風のごとく毎回見事で
あっという間に空っぽの店にひとり佇む。
同じく代を継ぐ仕事をする店主にとって
無言の叱咤を受け打ちのめされるこの儀式。
とても大切な時間だったりします。


Have a wonderful weekend!!
Ted









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