2018年3月10日土曜日

クリームソーダ

明日は3月11日。


『あの日』
はっきりと覚えている方も多いでしょう。


尋常でない揺れに、工場内のヒーターだけ停め
すぐに外へ避難するように従業員へ叫び


”工場内の機械はすべて倒れ、
またゼロからやり直しか・・・”


と覚悟しながら徐々に波が大きくなってゆく
地面を呆然と眺めておりました。


幸い、機械は被害を免れましたが
翌日からすべて『白紙』。
原料工場も被災し入荷の見込みも立たず
会社の血液である売上のメドが立てられない。
とにかく待ったなしで支出を止めなくてはと
すぐに取引金融機関に状況説明を提出し
全借入先に1年間のリスケを要請。


状況が状況だけにご承諾いただけたものの
もとより自転車操業の我が社。
リスケをすると当面融資も受けられなくなる
零細企業にとっての背水の陣を
先行きが全く不透明な状況で敷くことになる
恐怖。


『もうだめだ・・・』


と、たびたび息子に電話を掛けてきた
我が親父は例外中の例外!!(笑)で
大抵のお父様達は仕事でのピンチを家族には
話していないと思いますよ。
みなさんも色々乗り越えてきましたよね。
例外な父親を見てきた兄達と一緒だからこそ
僕は難局をなんとか乗り切れたと思います。
そんな工場で従業員が土曜日も自らの判断で
機械の音を響かせているのは頼もしいです。

あっ、でも命日を迎えたばかりの親父を
卑下するのでは決してなく、
ピンチをいくつか乗り越えてきた中で
心境は寧ろ深く理解出来るようになりました。


母が連れて行ってくれるのを楽しみにしていた
クリームソーダのおいしい喫茶店が、実は
手形割引の帰りで、タクシーの中でも
走りたくなる道中だったことも・・・。


余談ながら(そもそも余談ばかり)
クリームソーダを飲む前に同行していた場所へ大人になってから手形を持ち込む役目が
回ってきました。
(決して怪しいところではありません)


出来ればやりたくない仕事です。
そんな時、意外にも物腰柔らかい社長さんが、


『あなたのお母様はよく憶えております。
いつも本を持って凛としておられました。』


どんな気持ちでそこへ向かっていたか
母から聞いておりましたので一層
この一言は息子として誇らしかったです。
人は結構見ているもの。
苦しい時にこそ生き方は垣間見えるものです。


自分が子供たちに残す足跡も
出来れば少しは誇らしく思ってもらえるよう、
引き締めていかなくては。
生きざま⁉


Have a wonderful weekend!!
Ted





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