2018年11月3日土曜日

打ち込む。

秋晴れの青空で静かな土曜日の朝。
トラックもお休みなので自分のペースで
始められる1日は気持ちいいものです。


最近、ワネストでトントントン、と
心地好い木の音色を響かせている恵菓さん。
訪ねると、音源はお干菓子を打つ作業でした。
修業時代、毎日1万個以上を打ち続けていた
時期があったというご主人、ひたすら打ち込む中で培った作業のリズムが僕にとっては
なんとも心地好い。


拝察するにご主人は日々、その1万回の中に色々工夫を重ねたことと思われます。
ひたすらこなすことも大切。
でも、ただこなしてしまうか、
1万回の"チャンス"を逃さず
工夫を重ねてみるか、数が多ければ
それだけその差は歴然となるものです。
いい仕事の作り出すリズムは美しい。

その”音色”も道具により若干違うようです。
干菓子を打つ『型』の材質は桜。
半ば趣味としても(笑)古道具屋を巡り
たくさんの木型を収集されているそうですが
総じて最近の型は木の密度が低く、
持った時の感覚が自分のイメージと合わなく(軽く)
感じるとのこと。
使っていくうちに歪みが出たりすることも
あるそうです。


『型を作る前に木を完全に乾かしてないの
かもしれません。』


完全に乾燥させるのはおそらく年単位の
時間が必要。
待ちきれないのでしょうね。
”型屋”さんはすでに全国で数名だとか。


あくまで小さな店の独り言ですが、
あらゆる業界の職人を取り巻く環境は
似て非なるものかと。
いいものを作りたくても作る職人が少ない。
ものづくりの現場で起きている現実は
かなり非可逆的なところまできています。
第1▪3土曜日はゆう


懐古主義的なところ。
もちろん多分に持ちあわせております。
でも比較的新しいものにも飛びつくタイプかとも思いますが
我々は次の世代へ何を遺せるのか?
引き継がれてきた

『理屈ではないもの』

の多くが途絶えてしまう、
そんな気がしております。


先代の頃に作られたリング。
画像を作家に送ると即座に25年程前の作品と返事があり、驚きました。
1つ、1つ、心を込めているという意味。
伝え手としてのわが身を反省させられます。


『図面もないですが覚えているので作れます』


新年のお披露目となりますが
25年後の作品、楽しみです。

Ted

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