2022年6月2日木曜日

テッセラ

6月。

同級生のグループLINE”経営者会議”(笑)でも、

各業界で部品が足りないという報告会になるなど、

製造業は需要>供給による不透明感が続いています。

工場で扱う基礎素材、塩ビでさえ1年でほぼ倍に。

ジュエリーを作るうえで欠かせない18金なんて・・・

驚きの単価となっております。(泣)

『資本論』の具体例のような様相ですね。

"あのときインゴットを買っておけば"

なーんて、買えたためしもないんですけど。

この状況ですと持つものと持たざる者の格差は

益々広がってゆくことでしょう。

(僕は情熱だけは持ってる方、だと思いこむ)

当たり前に売れていたものがコロナ禍長期化により

縮小均衡となってしまったものも多々あります。

出掛ける頻度が減り、またはほぼ出掛けなくなると

『お出掛けグッズ』が不要になります。

小さな店はそういうもので埋め尽くされていまして、

一生懸命良いものを作る努力をしているメーカーから

苦しい状況がこぼれてきて、嘆かわしいです。

ベルカテナの取引先は幸いなことに苦しいながらも

立ち止まらず新たな試みをしている人達が多く、

おかげで僕自身も同じ方を向いていられます。

200年前の智慧と現代を掛け合わせ未来へ


その昔、イタリアのモザイク職人も

バチカンの壁画修復完了後仕事がなくなり、

生き延びようとする情熱から

精緻で美しいマイクロモザイクが誕生しました。

世界中で金が全く流通しなくなると、

少ない地金をいかに豪華に見せるか?

金細工職人たちの試行錯誤からカンティーユという

美しい金線技法が編み出されました。

それぞれがアンティーク技法として時代を超えて

現代でも人々を魅了しています。

火事場の…いや、これこそ叡智と言えましょう。

その時代を諦めなかった人々の紡いだバトン。

一人ひとりはマイクロモザイクのテッセラ(ガラス片)

のようにちいさい存在ですが、

未来へとつながる一歩は、まるで曼荼羅のように

テッセラ1片1片に宿されている。

そんな気がしています。



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