2022年8月26日金曜日

エアメール。

『ぬりゑをたのしまふ’22』


宿題がどしどし返ってきております。



毎年え”ーっと驚かされるご主人様より。

今年もやられました。(笑)

皆様にお楽しみ頂けているようでなによりです。

(まだまだ間に合いますよ!!)


夏も終わりに近づくこの時期に思い出すことが2つ。

もしかして?と思い、確認してみたらやはり

”同じ日”だったことに今更ながら気付き、

若き日の至らなさを、

”そういうところなんだよ、君”と苦笑い。


海外暮らしから成長して帰る兄たちを迎えるたびに

『外国には何かがある』と憧れを抱くようになり、

コンパスも持てず不甲斐ない自分に鬱々としていた

20歳の頃。

何もない自分をいっそ素っ裸にしてみたくなり、

(狂を発するところあり)

留学ジャーナルを買って自分のことを誰も知らない

”どこか”で何が出来るだろう?

そんないい加減なことをマジメに考えておりました。

まずはオーストラリアかカナダに絞り、

どうせなら大都市ではないどこかへ、

となるのも僕の癖。

(ワネストに店を開くことに通じていますネ)

オーストラリアならパース、と決めかけたところ、

喋れないくせに生意気にも

”OZ訛りはイヤかも?”と、

カナダのページをめくる。

すると、

『マイナス40℃』『オーロラ』

というバナナで釘が打てそうで、

植村直己さんの冒険譚を愛読していた僕には

なんとも面白そう?な紹介文、

しかも何故か他と比べると

語学学校の授業料もムチャクチャ安い。

こんな条件から決めた町の名はエドモントン。

(テキトウ過ぎます)

はるかな北の大地、あるはずもないツテを、

なんの偶然か母の繋がりから嘘のようなご縁で

現地アルバータ大学教授の方とコンタクトが取れ、

しかもちょうど出発前に来日されるとのこと。

直前に東京のホテルでお引き合わせ頂くという

奇跡に恵まれました。

素っ裸で行くつもりでしたが、持ってるのかな??

(逆にスッカラカンな僕に愛想尽かさず優しく

相手してくれた紳士からは多くを学びました。)

直行便もなく、もちろん飛行機は最安が条件で、

成田→ロス→ソルトレーク→エドモントンという

いきなり一人でトランジット数回のルート。

スーツケースにすべて詰め込んで…

成田の不安げな様子がコチラ。(笑)


兄も不安そう


初の外国の地として降り立った、

ロスのコパトーンのような異国の香りに心躍るも

巨大空港で国内便に乗り換えるのがさっぱりわからず

いきなりのピンチもソルトレーク行きのビッグママに

子供のように扱われながらひたすら付いてゆき

(優しいビッグママが初めての英会話実技でした)

なんとか再度国際線となるトランジットもクリアし

20時間の長旅の末、エドモントン到着。

個人的にはなかなか印象深い旅立ちの日ですが、

約30年過ぎた今頃になって”もしや?”と思い

調べなおすとやはり8月22日。

その日は母の誕生日でした。

出発日を定めた時、それが母の誕生日であると

意識した覚えすらないし、

当日おめでとうも言った記憶なし。

いわんや感謝の言葉をや。

余裕もなく、自分のことしか考えてない息子を

見送る母は、今の自分とあまり変わらない年齢で、

その時、息子のことをどう思っていたのだろう?

ふと、考えました。

カナダ滞在数か月後、母から届いたエアメール。

拍子抜けするほどありきたりな文章ながら

自分でも理由がわからない涙が途中から溢れ出し

ほとんど嗚咽状態。初めての経験でしたが

しばしそのままにしておきたい気分でした。

遠く離れ、初めて知った”親”という存在の凄さ。

母も努めてなんてことのない文章にしたのだろうと、

今はなんとなくわかります。

そんなバトンを渡せたらと思いますが、はてさて。


寮からの夕景、どこまでも広がる地平線

誰のポスター貼ってたかは思い出せない

大切なものたち

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