2023年6月7日水曜日

真珠の扉。

 例えば好き嫌い。

”嫌い”は”好き”になることがあり、

それは食べ物や人間関係でも経験があります。

得意と苦手。

これも得意なことで魔がさしたり、

苦手と感じるからこそ丁寧になり、

意外な評価を得たりします。

好きか嫌いかもわからず、得意も苦手もない。

どちらの対義語にも属さない”無関心”。

この状態からの成長が一番難しいとは

自分でも上司風を吹かせるときにも痛感します。


ジュエリー業界で6月といえば真珠。

6月1日は真珠の日、今月の誕生石ということを

ご存じの方も多いかもしれません。

先代を継ぎ、全く知らないジュエリーについて

学び始めた頃の僕にとり真珠はまさに”無関心”。

一番後回しかな、と正直考えていました。

然したる理由も思い出せないのですが、

おそらく全部同じものに見えていたのでしょう。

真珠と言えば丸い、冠婚葬祭で使うもの、

ステレオタイプなそんな感じです。(笑)

当時、何とか仕事をする手掛かりとして、

せめて好きな宝石でも見つからないかと

藁をもすがる思いで出掛けた香港の展示会。

眩いけど手の届かない大粒のイエローダイヤには

確かに凄いなと感じましたし、

これは好きかも?と思えたマイクロモザイクは

価格が全く合わずに断念。

(こちらはその後、ご縁があり所有しています)

その意味では収穫ゼロでしたが、

ちょっと面白そうな作家さんを見掛けました。

その後、今度は東京の展示会に行ってみると、

なんとその作家さんのブースが・・・。

”無関心”な真珠のはずなのに、ブースは個性的で

ピスタチオパール?

蒔絵真珠?? 

当時の僕には理解出来ない名前に釣られ、

おそるおそるブースに近づき、

こっそり見ていると、ついにスタッフの方に

話し掛けられてしまいました。

それが毎年、店内を真珠の海にしてご紹介する

上村氏との出会いになるのですが・・・。

まさかその2か月後に、

顧客ゼロ

知識もゼロ

イベント企画経験もゼロ

なのに店を継いで初のイベントがジュエリーで

しかも真珠作品オンリー!!の個展などという

地獄絵図(笑)が待っていようとは…

人生はわからないものです。

さすがの僕でも上村さんとのご縁から

必然的に真珠と向き合うようになり、

おかげさまで真珠を通じ素敵な出会いに恵まれ、

結果として当店が皆様にご案内する真珠への扉と

引き出しの多さは相当凄いと自負しております。

また、自分が無関心から始めたからこそ、

そういう皆様にもお役に立てるのではないか?

と考えております。

パール好きなお客様はもちろん、

そうでない方も、もしよろしければご自宅にある

(大抵はタンスの奥に眠っている)

真珠のネックレスを持ってきてみてください。

色々な扉をご案内させていただきます。









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