2017年2月5日日曜日

真珠ができるまで①

アコヤ貝の稚貝(1歳位)
山から流れてきた枝を住処にする
以前から上村氏が
『海、山の調和があっての真珠です。』
と仰っていたことが理解できたのが
こちらの写真。
稚貝は山から流れてきた杉の葉を
『隠れ蓑』として成長します。

アコヤ貝の稚貝、かわいいでしょう?
真珠養殖の母貝となるには3年かかり
そこまでは生産者としてはある意味、
『育てるだけ。』
命ですので当然ながらその期間に
死んでしまうものも少なからずあり
赤潮が発生すると一晩で全滅、
という厳しい結果になることも...

母貝になるまで頑張ってくれたアコヤ貝に
『核入れ』をします。
上下の写真でおわかりのように
体験などのレベルで出来る作業ではなく
かなりの経験が必要です。
(僕ほど不器用なのも珍しいですが)
『人を育てる』ためにはやはり
最低でも3年の歳月と、
3年かけて育った大量の母貝を”土台”
にしなければならないそうです。

余談ですが作業場にいらしたお母様が
『お父さん(先代)は核入れが下手で
ようせんと、栄司(上村氏)は上手やった』
と笑っていました。
無駄のない所作、美しい作業は見ていて
本当に飽きないものです。

100年前に三木本さんをはじめとする
日本人が開発したこの技術、
辿りつくまでの道程、いかに粘り強く
研究を続けたかは想像に難くないですね。
その当時、核をこれでいこう!としたのが
アメリカミシシッピ河の2枚貝。
視野の広さに驚かされます。

(つづく)

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