2024年5月26日日曜日

コンセンサス。

 月曜朝イチから瞬発力と対応力が試された今週。

“トラブルは畳み掛ける“法則に見舞われ、

ずっとバタバタとしておりました。

こんな時、モグラ叩きのようにただやっつける、

これでは何の解決にもならないので、

”そもそも何故こうなった”という足元を一度、

しっかりと照らし、隠さず見つめ直すことが

”次”が起こらないためには大切と考えます。

特に生産現場では、”何かが起こること”が

実はとても大切で、そのサインに気付けるか、

チームでそのコンセンサスが出来ているかが

最悪を招かないための最良の方法だと思います。

とはいえ、これは結局個々の意識ありきなので、

ただ出てくるモグラをやっつけているだけか、

じっくり観察しモグラの出る法則を見極めるか、

前者はいつまでたっても対処療法、

後者は法則に気付けば体が勝手に反応する、

雲泥の差となります。

その差に気付いてもらうためにあの手この手を

用いるものの、生き方に関わることのようで

なかなか難しいものです。

話しは変わりますが、洋服の価格の違いについて

店としてきちんと的確にお伝えすることも、

なかなか難しいテーマであり、

スタッフとも色々議論しています。

ものづくりの視点から“説明“をすれば、

それ自体はわかりやすいもの。

特に価格を下げるためにはある意味簡単で、

①人件費の安い国で作る

②手数を減らすため複雑なことはしない

③ボタンなどのパーツも汎用品を使う

④生地はポリエステルなどの化学繊維で

これにロットを増やし単価を下げれば

1着数千円の服が出来上がります。

一方、当店で現在ご案内しているブランドは、

①国内生産

②着心地とワクワクのひと手間を惜しまない

③ボタン選びはブランドの矜持

④表現に合わせ化繊からシルクまで

と、引き算の大量生産とは見事に対照的です。

足し算の場合、ただ足してしまうとかえって

マイナスになってしまうことになりがちで、

そこには簡単に言えばセンスですが、

これまでどれだけパターンを考え、素材を試し、

失敗も糧とし、『らしさ』を追求してきたか、

が投影されると思います。

結局、やはり何を見て、何を感じ、何を楽しみ、

何を美しいと思うのか、何に心揺さぶられたか、

つまり、どう生きてきたのか、が足し算を

掛け算にしてゆくのだろうと思います。

また、常に“着る洋服“(←当たり前のようですが

“生産する洋服“と“着る洋服“は似て非なるもので

着る洋服は実際お試しいただくとディテールに

なるほどと納得出来ることが多い)、つまり、

着る人本位な洋服作りをされているな、

というのも個人的に好きなところでもあります。

まぁ、頭で考え過ぎるとせっかくの楽しい洋服が

つまらなくなってしまいますね。

スタッフも僕も好きな洋服に袖を通す時、

着ている時もずっとワクワクしているというのが

まさに僕たちのコンセンサス。

お客様にそんなワクワクをお届けしたいな、

と考えております。






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