月曜朝イチから瞬発力と対応力が試された今週。
“トラブルは畳み掛ける“法則に見舞われ、
ずっとバタバタとしておりました。
こんな時、モグラ叩きのようにただやっつける、
これでは何の解決にもならないので、
”そもそも何故こうなった”という足元を一度、
しっかりと照らし、隠さず見つめ直すことが
”次”が起こらないためには大切と考えます。
特に生産現場では、”何かが起こること”が
実はとても大切で、そのサインに気付けるか、
チームでそのコンセンサスが出来ているかが
最悪を招かないための最良の方法だと思います。
とはいえ、これは結局個々の意識ありきなので、
ただ出てくるモグラをやっつけているだけか、
じっくり観察しモグラの出る法則を見極めるか、
前者はいつまでたっても対処療法、
後者は法則に気付けば体が勝手に反応する、
雲泥の差となります。
その差に気付いてもらうためにあの手この手を
用いるものの、生き方に関わることのようで
なかなか難しいものです。
話しは変わりますが、洋服の価格の違いについて
店としてきちんと的確にお伝えすることも、
なかなか難しいテーマであり、
スタッフとも色々議論しています。
ものづくりの視点から“説明“をすれば、
それ自体はわかりやすいもの。
特に価格を下げるためにはある意味簡単で、
①人件費の安い国で作る
②手数を減らすため複雑なことはしない
③ボタンなどのパーツも汎用品を使う
④生地はポリエステルなどの化学繊維で
これにロットを増やし単価を下げれば
1着数千円の服が出来上がります。
一方、当店で現在ご案内しているブランドは、
①国内生産
②着心地とワクワクのひと手間を惜しまない
③ボタン選びはブランドの矜持
④表現に合わせ化繊からシルクまで
と、引き算の大量生産とは見事に対照的です。
足し算の場合、ただ足してしまうとかえって
マイナスになってしまうことになりがちで、
そこには簡単に言えばセンスですが、
これまでどれだけパターンを考え、素材を試し、
失敗も糧とし、『らしさ』を追求してきたか、
が投影されると思います。
結局、やはり何を見て、何を感じ、何を楽しみ、
何を美しいと思うのか、何に心揺さぶられたか、
つまり、どう生きてきたのか、が足し算を
掛け算にしてゆくのだろうと思います。
また、常に“着る洋服“(←当たり前のようですが
“生産する洋服“と“着る洋服“は似て非なるもので
着る洋服は実際お試しいただくとディテールに
なるほどと納得出来ることが多い)、つまり、
着る人本位な洋服作りをされているな、
というのも個人的に好きなところでもあります。
まぁ、頭で考え過ぎるとせっかくの楽しい洋服が
つまらなくなってしまいますね。
スタッフも僕も好きな洋服に袖を通す時、
着ている時もずっとワクワクしているというのが
まさに僕たちのコンセンサス。
お客様にそんなワクワクをお届けしたいな、
と考えております。
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