奇跡の洋服。
♬こんなこといいな できたらいいな♬
の一節で始まるドラえもんの歌。
毎回ドラえもんがポケットから取り出す道具に
夢を見ていたものです。
ものづくりの原点もこんなところでしょう。
”奇跡の洋服”誕生。
それは2月の展示会にスミコさんが着ていった
長年愛用するカットソーからはじまりました。
スミコさんとしては、
『こんな洋服できないのかな』
という好奇心もあったようです。
実際、展示会場でもスタッフ、バイヤーさんの
注目を集め、ひとの輪が出来ておりました。(笑)
一方、皆さんの『素敵ですねー』という言葉には
アパレルが元気だった頃を懐かしむような、
『そんな時代もありましたね』という
ノスタルジーが含まれておりました。
洋服を作ることに詳しいほど、かかる手間、
=お金の足し算と、
出来た商品がいくらなら売れるか?との
引き算をしてしまうと
無理だね。
という答えになるのは至極当然。
そこに、アパレルが厳しい時代という条件を
掛け合わせる=100%ムリ
完璧なやらない方程式の完成です。
でも当日、おそらく会場で二人、
当店でメインブランドとしてご案内している
パーヌさんのデザイナーと営業担当者だけは、
方程式は理解しつつも、違う様子でした。
きっとデザイナーさんは『作りたい』
営業のご担当は『作ってみるべき』という
お金のことはさておき、
自分たちの”根っこ”と問答をされていた、
そんなように思われます。
そこに現れたのが日頃縫製をお願いしているという
会社の社長さん。
なんと、スミコさんが着ている洋服も
その会社で縫製を手掛けていたという、
信じられない奇跡的な出来事。
さすがにゾクッとしました。
そして5月。
次シーズンの展示会へ足を運ぶと…
なんとスミコさんの出来たらいいな、が
ハンガーにずらり並んでいました!!
我々を会場で驚かせようと、
事前の案内状にも一切情報がない徹底ぶり。
実現させたこと、またその早さ、
本当に予期せぬサプライズでした。
伺えばやはり、賛否渦巻くこの企画は
社内で何度も議論を重ねたそうで
それでもGOサインを出した心意気に
心より拍手を送りました。
実際、作りたいと思ったとしても
お金だけの問題ではなく、
人の繫がりがあってこそのもの。
でもそこに『決断』が加わり、
ようやく一歩踏み出せるもの。
作り手から回ってきたバトンを受け、
店主がバイヤーとして問われるのもやはり
『決断』
今回ばかりは、色々なご縁が繫がり出来た
ドラえもんが叶えてくれたかのような
奇跡の洋服。
なるべく多くのお客様にお楽しみ頂きたく、
合計40枚近くオーダーしました。
是非、手にとってご覧くださいね。
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