春遠からじ。
寒〜い日が続くこの時期は
2社分の決算が目の上のたんこぶのように
のしかかり、毎年、重い頭を引きずる日々。
今年が工場の法人化30年を迎えたことで、
その日々も30年ということがわかりました。
誰かがやらねばならぬことを引き受けた、
いわば末っ子の役割。(笑)
経理の知識もゼロで複式簿記とはなにもんだ?
というスキルでいきなり決算の下地を作ることは
本当に大変でした。
当時は現場もこなし、4tトラックも乗り回し、
日曜日しかない休みは
京都の大学へ夜行バスと新幹線で往復。
新幹線に決算作業中の親父から電話があり、
『こんなこともわからないのか!!』
と怒鳴られたことも。
経理においては前提が狂うと結局イチから確認、
となるので、父の怒りも今では理解出来ます。
その後に強面税理士と対峙する儀式もある、
バカ息子の体で恥をかくしかない。
ある意味、『知らない』ことの弱さと怖さを
体で覚えさせられる貴重な経験でしたが、
本質的に数字が頭に入らない僕のような人間は
こなすことに終始してしまったかな?
というのが残念なから30年の総括です。
ただ、当時からせめて自分の体験を次の人への
良きテキストと出来るように、
これだけは強く意識していて、
完璧な下地を用意してくれるようになった
経理部長の資料を眺めながら、
それは間違ってなかったかな、と思ってます。
この時期はまた、新たな芽を探す展示会が
重なる時期でもあります。
洋服の展示会に同行するスタッフも
お土産交換するまでに馴染んで来たところで、
今回はあえて自分が見せたい洋服を着てゆき
商品企画のプレゼンを仕掛けてました。(笑)
これが好評で、取引先のスタッフが全員集合して
人だかりが出来てアイドル状態に。(笑)
そこへなんたる偶然!!
彼女の着ている洋服ブランドの職人さんが来る
ミラクルが起こりました。
たしかに今の時代でこんな、幾手間も増える
洋服を作るとなると、面白いけど出来ない、
良き時代を懐かしんで終わり、が解答になります。
頭で考えればたしかに難しい。
でも、これだけ条件が揃うこともおそらく
今、ここにしかなかったこと。
そのエネルギーを偶然で終わらせるか?
縁に結びつけるか?
作り手の気概が問われるところです。
出来ない言い訳は簡単ですが、
出来る道を探ってみる。
その道の先にはきっと、
繋がりゆく道
が見えてくると思います。
作り手、デザイナー、売り手も一体となって
ワクワクすること。
あるべきものづくりのかたちも
見えてくるかもしれません。
刺激的な一石を投じた当店スタッフは75歳。
こんな出来事も、彼女が扱いたいブランドを
僕にアツく語ってくれたことが始まりです。
この洋服が実現した暁にはスタッフの意志も汲み、
ベルカテナは大量に別注をかける覚悟デス。
花咲くかな? |
つくづく、はじめに意志ありきと感じます。
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